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2021年02月16日

リチウムバッテリへのリプレース【負荷をかけて引抜き試験】

以前に、キャンピングトレーラに積んでいるディープサイクルバッテリが劣化していたのがきっかけで、リチウムバッテリへの積替え検討をはじめたという記事を書きました。

テストした方法は、実際にキャンピングトレーラで停泊していると仮定した電力を、バッテリに連続して負荷をかけて、どのくらいバッテリが使えるのかを調べます。現実的には、テレビをつけっぱなしにしたり就寝時も電灯を点けっ放しは無いのですが、、、
バッテリ状態の優劣目安の一つとしての試験なら十分だと思います。その時の結果はこちら

今回は280Ah/3.5kwh(定格)4kwh(最大)のリン酸鉄リチウムバッテリを組み上げたので、同じ条件でこのバッテリの引抜き試験を行ないました。

先ずはリチウムバッテリを充電します。


▲LiFePO4用充電器で充電中 満タンまで概算で12〜15時間かかりそう
このリン酸鉄リチウム電池のカタログスペックでは、満充電でセル電圧は3.65v。4セルシリーズ接続なので全体では4倍の14.60vとなります。ここまで様子を見ながら充電していくと、、、

リチウムバッテリへのリプレース【負荷をかけて引抜き試験】
▲20時間超えても13.55vから上がらない⁉︎

なぜか充電電流は10A近く流れていますが13.55v・各セル電圧も3.4vを超えてきません。セルもしくはBMSの不良なのか?不思議にも温度表示を見ても、BMS基板やバッテリセルで熱になっている様子も見られません。もう少し容量のある充電器で、電力をグッと押し込む必要があるのかもしれません。この辺はあらためて実験してみたいところです。

そうは言っても、セル電圧は定格の3.2vをゆうに超えているので、積算で280Ahになるまで3時間弱20数Ah押し込み、BMSの充電終了電圧を13.55vに変更即カットオフで、昼に充電終了しました。都合で夜から試験開始なので、このまま8時間ほど放って置いたら、全体では13.36v、各セルは3.34vでバランスしました。ではここから引抜き試験スタートします。




開始時刻 20:45
電圧   13.36v
残容量  100%(279.99Ah)
放電電流 10.97A
放電電力 146w
バッテリ温度 15.2℃
BMS基板温度 13.3℃

リチウムバッテリへのリプレース【負荷をかけて引抜き試験】
▲負荷は146w 電圧は直ぐに13.30vに落ちる

リチウムバッテリへのリプレース【負荷をかけて引抜き試験】
1500wインバータで100w白熱球の負荷をかける(バッテリからは、配線やインバータ効率・損失分含めた140wが引き抜かれる)

バッテリ容量が280Ah(280×12.8=3584wh)あるとすれば完走まで概算ですが、3584wh÷140w=25時間半ぐらいかかります。

当初細かくデータを記録しようと意気込んでいましたが、試験初めのうちはほとんど値が変わらず面白くなかったので、キリのいい残容量の時や電圧等でのデータ収集にしました。
この後スマートBMSのスクショを何枚も見てもつまらないと思うので、要所だけupして結果はグラフで表示して考察したいと思います。


翌日10:05(経過時間14時間20分)
電圧   13.01v
残容量  50%(積算で140Ah引き抜き)
放電電流 10.63A
放電電力 138w

▲温度は異常なし セル間の電位差は0.013v

容量半分使っても電圧が13vを維持しているのは、今まで鉛バッテリ使ってきた身にとっては驚愕です。



翌日15:38(経過時間18時間53分)
電圧   13.01v
残容量  29%(積算で197Ah引き抜き)
放電電流 10.72A
放電電力 139w

▲残容量30%以下で電池イメージがイエローになる


それにしても、、、S.O.C.50%から30%まで電圧変動なしというのは驚きです。

そして、残容量が15%以下になると、イエローだったイメージ表示がレッドとなり注意を促します。



▲残容量15%でも12.8vを維持



翌日20:46(経過時間24時間1分)
電圧   12.71v
残容量  10%(積算で251Ah引き抜き)
放電電流 10.80A
放電電力 137w

▲試験から24時間経過してS.O.C.10%なのに開始時からたったの0.6vしか電圧が下がっていない


この辺りから少しづつ電圧の下がり方が速くなり…


翌日23:24(経過時間26時間39分)
電圧   12.24v
残容量  0%(積算で280Ah引き抜き)
放電電流 11.14A
放電電力 136w

▲無事280Ah引抜き試験を完走しました!


この後は、BMSの設定で11.50vを低電圧カットオフとしていた為、そこまでチャレンジします。


▲経過時間27時間19分で低電圧カットオフ値まで下がってきて…




▲BMSが放電出力をカットオフしたのでバッテリ電圧は上昇していきます


2.800vを下回るセルもなく、リン酸鉄リチウムバッテリの性能的には10.4v程度まで引抜きできた感じですが、とりあえずカタログスペック以上を確認できたのと、今回の引抜き試験で無理をさせてわざわざセルの劣化を進めてしまうのも本意ではないので、この辺で終了しました。

バッテリを空近くまで使った後は、できるだけ速く充電してあげる事が大切なので、直ぐに充電器で電力注入して寝床につきました睡眠

翌朝記録したデータをグラフにしてみました。

リチウムバッテリへのリプレース【負荷をかけて引抜き試験】

階段状に電圧が低下していく様に見えます。12.6v(セル@3.15v)過ぎたあたりから電圧降下が速くなりますが、経過時間は25時間半。平均140w負荷だとすれば140w×25.5h=3570whとなり、この時点でほぼ公称容量ということになります。それにしても容量終わり近くまで12v台の電圧を維持しているのは、鉛バッテリの電圧降下ラインとは大きく違い、リン酸鉄リチウムバッテリの性能にあらためて驚かされます。今回は11.5vまでの試験でしたが、この引抜き試験からは140w×27.3h=3822whが最大容量という結果になりました。


なお引抜き試験開始前の最大電圧が13.55vだったので、もしかしたら満充電になっていなかったのでは?と推定されます。機会あれば、容量の大きな充電器で満充電にしてから今回と同様な引抜き試験をしてみたいと思います。

しかしながら、満充電ではないところ(80%位か?)からきっちり3.8kwh以上電力を引抜き、尚且つまだ余裕もあった結果を見ると、今回組み上げたLiFePO4バッテリは公称値以上の容量を持っていたと言って良さそうです。

実際の停泊では、連続してテレビをつけていたり昼なのに電灯点したりはしませんし、逆に電子レンジやエアコン、トースターなどの大電力を使うこともあります。こればかりは使い方次第になってしまいますが、何はともあれこれからは気兼ねせずに電気を使えるといったトレキャンを続けられそうです。

追記:満充電から高負荷で引抜き試験をしました















つづく




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